個室ビデオ店放火 小川容疑者「生活保護費で広島へ」 直前、知人と計画

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個室ビデオ店放火 小川容疑者「生活保護費で広島へ」 直前、知人と計画
10月6日16時52分配信 産経新聞


 大阪市浪速区の個室ビデオ店「試写室キャッツなんば店」で15人が死亡した放火事件で、殺人容疑などで逮捕された無職、小川和弘容疑者(46)が、一緒に来店した露天商の男性(42)と、事件翌日の2日に支給される生活保護費を使って広島に出かける約束をしていたことが6日、わかった。事件2日前に露天商と知り合った小川容疑者は「死にたくてふらふらしていたが、先生(露天商)と出会って生きる気力が持てるようになった」と話していたという。

 証言したのは、9月28日深夜から30日未明まで2人と行動を共にした無職男性(53)で、事件直近の小川容疑者の行動が明らかになるのは初めて。浪速署捜査本部は、小川容疑者の犯行に至るまでの心理状況の解明を急ぐ。

 男性の証言によると、28日午後10時ごろ、露天商が大阪・心斎橋の路上で占いと自身で描いた絵を売っていたところ、小川容疑者が通りかかり、1000円を払って占ってもらった。

 露天商から「この本の好きなページを開いて」と言われ2回開くと、2度とも11ページ目が現れた。小川容疑者の誕生日が11月11日だったことから驚嘆。「あなたの表情が暗いから悪い方に流れてしまう」と言われ、笑顔の似顔絵と「楽」と描かれた色紙を渡されたという。

 小川容疑者はこれをきっかけに露天商を先生と呼んでその場に居座り、占いの仕事が終わった29日午前4時ごろ、「話をもっと聞きたい。3000円ほど持っているので食事をしませんか」と誘ったという。

 露天商の知り合いで現場に居合わせた無職男性の計3人で近くのギョーザ店に入ると、小川容疑者は「生活保護を受けていて恥ずかしい」「別れた妻に渡す養育費の負担が重い」と悩みを吐露した。

 さらに左手首の切り傷を見せながら、「自殺しようとしたことが2、3回あった。今日も死に場所を求めてふらふらしていたが、先生の言葉に救われた」と穏やかに話した。露天商が「金はないけど一緒に全国を旅するか」と持ちかけると、小川容疑者はうれしそうにうなずいたという。

 無職男性はいったんその場を離れた後、30日午前1時ごろ、再び2人と合流。小川容疑者は占いをする露天商の前で“サクラ”として座っており、露天商は「2日には小川(容疑者)の生活保護費が支給されるので、それを元手に2人で広島に行ってくる。当分大阪には帰ってこないつもりだ」と話した。

 その後、男性が事件の3~4時間前にこの場所を通りかかったときには、2人の姿はなかった。男性は「予定より早く広島に行ったのだと思った。小川容疑者は素直すぎる人だったが、その半面、キレやすい部分もあった」と話している。

 小川容疑者と露天商は1日午前1時ごろ、キャッツなんば店に入店。別々の部屋に入った後、小川容疑者は露天商のキャリーバッグに放火。近くの個室にいた露天商は重症で現在も入院している。

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