連続婦女暴行の小学校教諭、語り始めた動機

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連続婦女暴行の小学校教諭、語り始めた動機
9月15日19時32分配信 産経新聞


 「あの女子高生のようになりたいのか」。あたかも京都府舞鶴市の高1女子殺害事件の犯人のように振る舞って、小学校教諭が女子高生を次々と乱暴していた事件は、最初の逮捕から2カ月余りがたった。教育熱心と評判だった教諭は懲戒免職となり、固く口を閉ざした動機をようやく語り始めた。「家でも学校でもストレスがたまっていた」。「聖職」に対する自覚のかけらもなく、欲望におもむくまま高校生を襲った犯罪が、司法の場で裁かれる日は近い。

 ■将来を嘱望
 「教育熱心で児童にも慕われているまじめな先生と評判だった。逮捕後、保護者や周辺住民の間では、“冤罪(えんざい)事件”ではないかとうわさが広がった」。地元の住民はこう話した。

 女子高生を次々と襲っていたのは同府与謝野町立桑飼小学校に当時勤務していた小学校教諭、細野弘和被告(34)=懲戒免職、起訴済。職場でも信頼されており、体育クラブの顧問として児童に陸上競技を指導し、町の体育指導員も務めていた。

 細野被告は昭和49年1月に地元で生まれ、同府立宮津高校を経て和歌山大学教育学部を卒業。平成10年4月に府の教員に採用された。同府京丹後市内の小学校2校で教員を務めた後、18年4月から桑飼小学校に着任。今年4月には将来の校長を目指す副校長クラスの教務主任に昇任していた。

 学校教育の現場で将来を嘱望された表の顔。それだけに、府警の捜査で分かった犯行は悪質性が際立つ。

 「人間として、とりわけ教育に携わる者としてあってはならない」。強姦致傷容疑で最初に逮捕された今年7月4日、会見した与謝野町教委幹部はこう言ってうなだれるしかなかった。

 ■女子高生を“物色”
 最初の逮捕事実は今年6月3日夜、与謝野町内の路上で、自転車で帰宅途中の女子高生をすれ違いざまに押し倒し、「舞鶴の事件みたいになりたいんか」と脅したうえで乱暴したというものだった。

 この女子高生は宮津署に被害届を出し、「黒い上下のジャージー姿でジョギングしていた男に襲われた。その後、近くで白い車が走り去るのを見た」と証言。同署員が夜間の警戒を強化したところ、しばらくして付近の路上で自転車の高校生が通るたびに、跡をつける不審な乗用車を発見。自転車に近づいて男子生徒と分かるとすぐにUターンし、女子生徒だとしばらく跡をつけ回し、物色している様子だったという。

 同署は、車を運転していた細野被告から事情を聴くとともに、任意でDNAの提出を受けて調べたところ、被害者の服に残っていた体液のDNAと一致したため逮捕に踏み切った。

 7月24日には、同町内の路上で昨年11月12日夜、自転車で帰宅途中の女子高校をすれ違いざまに押し倒して乱暴し、けがをさせたとする強制わいせつ致傷で再逮捕。8月13日には隣接する福知山市の路上で今年6月30日夜、同様に女子高生を押し倒して「騒いだら殺す」などと脅し、乱暴したとして強姦致傷容疑で再々逮捕された。

 ■家庭と職場のストレスが動機?
 細野被告の妻は最初の逮捕時に「夫がこんなことをするはずがない」と信じようとせず、近所の住民も「(細野被告は)奥さんと2人の子供がいて、奥さんが3人目の子供を身ごもっていて家族円満に見えた」と話す。

 細野被告は当初、容疑を一部否認したまま、動機について口を閉ざしていた。宮津署幹部は「教師であるにもかかわらず、少女に対する性的事件で逮捕されたことを恥じているように見えた」と話す。

 だが、再々逮捕後になって、細野被告の口からは違う一面が語られた。

 「家庭では実母と妻の仲が悪く、小学校で教務主任に就任後は残業も多くなり、ストレスがたまっていた。ストレス発散のためにやった」

 仕事の多忙さを動機の一端と供述したことについて与謝野町教委幹部は「教務主任の仕事は、学校の1年間の行事を決める仕事が主で、特別に『重労働』ではない。教務主任就任後に、細野被告の残業が増えたという学校側からの報告も受けていない。本当の動機は違うのではないか」と疑問を投げかける。

 同署幹部も「仕事や家庭内の事情は後から取ってつけたように思える。性癖による犯行ではないか。現に教務主任就任前の昨年末から犯行に及んでいる」と指摘する。

 京都地裁舞鶴支部での初公判の日程は未定だが、公判前整理手続が現在進められている。細野被告は同署の留置場で捜査員に被害者への謝罪を口にするなど反省の態度を見せているという。犯行をすべて認めていることで、さばさばした表情といい、落ち込んでいる様子はみられない。動機については「家庭と職場でのストレスを発散させる目的でやった」との供述は今も変えていない。

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