ペットボトルいかだで2人救助!中2男子金メダル級表彰

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ペットボトルいかだで2人救助!中2男子金メダル級表彰
8月29日8時1分配信 スポーツ報知


 香川県さぬき市は28日、海岸でおぼれた2人を助けた同県東かがわ市大川中学校2年の光田太一君(13)を表彰した。光田君は今月2日、沖合約50メートルでおぼれていた2人を救助。ペットボトルで作ったいかだに2人をつかまらせ、海岸まで往復約100メートルを泳ぎ切る金メダル級の身体能力を発揮した。小学校の6年間は水泳、今は柔道を習っているというスーパー中学生は「すぐ助けに行かなくてはと思った。普通のことをしただけ」とクールに話している。

 13歳の中学生が、北島やフェルプスにも負けないガッツある泳ぎで2人の命を救った。

 「沖でおいがおぼれている。助けて!」2日午後7時半ごろ、香川県さぬき市の曽根崎海岸で悲鳴が上がった。日課のランニング中に声を聞いた光田君が周囲を見渡すと、沖合約50メートルで男子中学生(14)と男性(31)の2人がおぼれていた。

 光田君は浜辺でバーベキューをしていた地元の子供会の世話役に事態を報告。自ら助けに行くこと告げた。すると「これを持って行きなさい」浮輪の代わりとして、子供たちがたまたま作っていたペットボトルを組み合わせたいかだを渡されたという。

 いかだは、ペットボトル16本をプラスチックの棒を組んだ枠につないだもので縦70センチ横90センチ。辺りはすでに薄暗く視界が悪く、さらに2人がおぼれていた場所は潮の流れが速いことで有名なポイントだった。

 それでも「無我夢中だった」と言う光田君は海へとダッシュ。海に入ると両手でいかだを押しながら、バタ足で2人のところへ向かった。たどり着くと2人は必死でこのいかだにしがみついてきたという。「2人ともしんどそうだ。早く助けなきゃ」いかだについていたヒモを片手でひきながら浜辺へと泳いだ。

 「ちょっと重かったです」というが、2人を引っ張りながら海岸に何とか到着。31歳の男性は低酸素状態で救急車で運ばれたものの、2人とも命はとりとめた。

 2人の命を救った光田君は身長160センチ、体重75キロとガッチリ型。小学1年生から6年間、水泳を習っていた。北京五輪8冠の“水の怪物”マイケル・フェルプスばりに自由形、平泳ぎ、バタフライ、背泳ぎとオールラウンドにこなすという。

 現在は柔道に打ち込み今年4月の地区大会で優勝。県大会ではベスト8に進出し団体では大将を務めた。好きな技は「内また」。五輪も柔道を中心に観戦し、100キロ超級で金メダルを獲得した石井慧(国士大)のファンという。

 将来の夢は「柔道家」と「海上保安庁で働く」こと。26日には人命救助の功績をたたえられ、高松海上保安部で表彰され、この日もさぬき市から表彰を受けた。光田くんは、周囲の反応に「(おぼれている人を見て)すぐ行かなければと思った。いろいろ言われてちょっと照れくさかった。普通のことをしただけです」と中学生“海猿”は恥ずかしそうに話した。

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